佐藤史郎 sato-shiro.com
主な研究テーマ:女性の起業、英語教育、ディベート
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跡見学園女子大学教授
佐藤史郎
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成功の秘訣とその事例(1)/なぜ定食屋チェーンは流行るのか

 女性の持ち味と感性を最大限活かして、しかもお店は繁盛するしお客にも喜んでもらえる都会のビジネスは何? きっとあなたは「え〜、うそ〜」というかもしれませんが、実は街中の定食屋なのです。女性に限らず、ニュービジネスを成功に導く鍵はなんといっても、潜在需要があるところを満たすビジネスがどのくらい存在しているかを見極めることです。

 そのようなビジネスがきわめて少ないようであれば大いにビジネスチャンスがあり市場での勝ち組になれるということになります。そして、そのような隙間を埋める業態のことをニッチビジネスといいます。街中の定食屋は誰もが思いつきそうで思いつかないよい例といえます。定食屋といえば、街の片隅にあって、中年夫婦が細々と経営しているというイメージが湧きますが、実は大都会の駅の周辺に圧倒的に少なかったのが事実なのです。ハンバーガーショップや中華料理店はあっても、いわゆる肉じゃがや焼き魚などを見栄えよく定食として提供するお店は今でも決して多いとはいえないと思います。ジャスダック市場に上場している「大戸屋」などはかなり多くのチェーン店を出店している定食屋チェーンの大手と言えますが、特別な奇策を講じているわけではありません。ただ、女性でも入店しやすくなるように、ショーウィンドウに美味しそうに陳列しているメニューをはじめとして、店内をこざっぱりときれいに保っている工夫がみられます。食べ物のビジネスで大切なことは、客がメニューを見て食欲をそそらせることが出来るかどうかです。それから、飲食のビジネスは店内とお店の周りを清潔に保つことも重要です。

 さて、大戸屋の店内には観葉植物が配置されていますが、これも客の気持ちを落ち着かせる効果があるのです。21世紀のキーワードは私の考えでは、女性、高齢者、そして心身の健康です。ストレスをすべて排除することは出来ないものの、軽くすることは出来ます。そのような癒しのような働きをするのが観葉植物なのです。また、食べ物を提供するお店に欠かせないのが清潔さですが、この点でも大戸屋は合格点でしょう。もちろん消費者にとって重要な要素である価格設定も程ほどの価格帯に抑えてあるといっていいでしょう。肝心の味ですが、私も数回食べましたが、正直言って美味しいという印象はもてませんでした。やや物足りなくても健康によいなら消費者は足を向けるということでしょう。繊細で個性豊かな味は別の場所に求めるのだと思います。ビジネスチャンスはこのように、自分を消費者の一人として捉え街中を歩いてみることでも見つけられるのです。


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