佐藤史郎 sato-shiro.com
主な研究テーマ:女性の起業、英語教育、ディベート
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跡見学園女子大学教授
佐藤史郎
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佐藤先生が発信する!女性の起業レポート
水平線
第5号 健康志向の街の定食屋さん
佐藤先生が発信する!女性の起業レポートVol.5<2006.12.18>
(マガジンID 0000193721)
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   佐藤先生が発信する!女性の起業レポートVol.5

         「健康志向の街の定食屋さん」
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起業を専門に研究している佐藤先生がお送りするメルマガです。志のあるあ
なたのために、明日へのヒントが詰まっています!

★佐藤先生からのメッセージ

ここ数年私は、女性の起業に関する研究や啓蒙活動を行なってきました。

その理由として、女性の起業分野はサービス業が多く、それは日本の国内総
生産を押し上げるだけでなく雇用を最も増やすからです。女性に適したビジ
ネスとして衣・食・住が挙げられますが、これら以外にも企画や営業面で女
性を起用する企業が増えています。このような視点で、女性の起業を成功さ
せるための支援活動を大いに行なっていきたいと考えております。

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★衣料の分野:シルバー層向けファッション
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 一般に、高齢者は衣服や食物に対する欲望が少ないと思われがちだが、実
際はおそらく逆なのではないかと思う。欲望を言葉で表現したり態度で表さ
ないだけで、潜在的な欲求は相当強いと思われ、それ自体、とても健在なこ
とだと思う。

 これまで、大手をはじめ中小のファッションメーカーも、シルバー層をフ
ァッションの購買層の主力なセクターの一つとして捉えて、商品の研究や開
発をしたり、積極的な営業努力を行なってきたとはいえないだろう。今後は、
しかし、シルバー層向けファッションはファッションの重要戦略の一つとし
て位置付けられるであろう。ファッションメーカー側のこれまでの消極的姿
勢の背景として、ファッション衣料に対するシルバー層の購買意欲が相当低
いとの先入感が理由として挙げられよう。実はここに大きなビジネスチャン
スがあることを見逃してはならない。

 高齢者の購買意欲を高め消費行動を起こしてもらうための中心的役割を果
たしうるのは地方都市ではないかと思う。ただし、ファッションに対してだ
け高齢者の消費意欲が高まるとは考えにくい。ごく一部の高齢者を除いて、
家に閉じこもって時間を過ごす高齢者が多いからだ。そこで、外に出たがら
ないお年寄りが抵抗なく街へ出て楽しめるような元気な街づくりが必要とな
る。そのためには、高齢者が魅力を感じるようなイベントを企画し、参加し
てもらうことが大切である。

高齢者が活き活きと毎日を過ごせるような街づくりができたらしめたものだ。
高齢者の心に張りが出てくれば、おしゃれ志向も高くなるだろう。高齢者が
元気ではつらつとなったところで、地方都市に住む女性が中心となり知恵と
アイディアを結集して、シルバー層向けのファッションを開発するのである。
ひとたび高齢者向けのファッションビジネスが成功すれば、ブランド商品と
して他の地域へも商圏を拡大することも夢ではないだろう。

 弁当の宅配などで、高齢者のお宅に出入りしながらファッションに対する
不満や希望を収集し、それらを反映させた試作品を作るのもよいだろう。フ
ァッションメーカーと提携し、メーカーの作成したカタログを高齢者に見せ
て注文を取るという取次ぎビジネスの形をとってもよいだろう。いずれにし
ても弁当の宅配や家事代行サービスの延長線上のサービスとして位置付ける
ことが肝要である。

地方都市の場合はビジネスとして行い、町村の場合はボランタリー型ビジネ
ス「NPO」として行なった方がうまくいくかもしれない。後者の場合、近所
の知り合いの主婦が収益を目的とするビジネスとして行なうことに高齢者が
抵抗を感じ、人間関係を損なうこともありうるからである。

 地域全体で知恵を出し合ってシルバー層向けファッションビジネスを立ち
上げるにしても、通販やカタログによる販売の形を取るにしても、大事なの
は、高齢者の体型に合ったサイズを豊富に揃えること、着脱がしやすく伸縮 
性に優れていることなど機能面を重視すること、そして高齢者の嗜好に合っ
た素材選びなどに充分留意することである。

例えば、夏季には軽くて吸湿性に優れた素材として絹を選ぶのも一考であろ
う。色やデザインなどファッション性をどの程度取り入れるかは、マーケテ
ィングの一 環として高齢者の希望を充分聞いたうえで提案した方がよいだ
ろう。高齢者側から特に希望が出されない場合、次のような提案はどうだろ
う。

ピンク、イエロウ、オレンジなどのパステルカラーでコーディネートしたア
ンサンブルはいかがですか。着心地と機能性を重視した上ファッション性
も加味して 仕上げたスーツはいかがですか。腹部のたるみが目立たないパ
ジャマも豊富にそろえてありますがいかがですか……。などである。

基本的には、個人差さはあるものの、若々しく見える服装にまとめたいとい
う願望を満たすことが重要であろう。

 いずれにしても、高齢者が心から喜びを感じ、外出することが楽しみにな
るようなファッション作りを目指して研究する余地は大いにあるだろう。高
齢者はファッションや外食に対する潜在的興味や関心があっても、世の中の
変化が激しかったり、生活のスピードが速いので町に出てうまく対応できな
いのではないかとの不安から家にいることが多い。従って、高齢者から衣料
品に対する機能面の希望やデザイン面の要望をあらかじめ聞いたうえ、ファ
ッション性を加味してシルバー層向けのファッション衣料を開発したり、高
齢者のお宅でカタログショッピングを楽しんでもらうことは、高齢者に生き
る喜びを与えるきっかけになったり、心に潤いをもたらす意味で大変意義深
いビジネスだと思う。

高齢者の方々に人生を前向きに楽しんでもらうための一手段として、ファッ
ションビジネスを捉えることが大切である。また、金融資産に恵まれないシ
ルバー層をターゲットにする場合、気軽に変身を楽しんでいただけるよう、
価格は総じて低めに抑えることである。

 シルバー層向けファッションの開発を心待ちにするもう一つの分野がある。
それは、老人ホーム、グループホーム,宅老所などの施設、あるいは病院な
どで高齢者が身に付ける衣服である。夫々の施設の特殊性を考慮に入れた上、
ファッション性と機能性を備えた衣服を開発することは、これらの施設で日
々を過ごす高齢者の心を明るくするという意味で、社会的意義は大きいであ
ろう。

たとえば、医療施設では、着脱がゆったりしたサイズのもので、綿などの天
然繊維の素材が喜ばれるのではないかと思われる。デザイン面などファッシ
ョン性を取り入れる余地が狭くなるぶん、やや明るめの色を中心とした色調
で個性を発揮したらよいだろう。また、高齢者の病状が回復の途上にある場
合には、食堂へ行く際などに気持ちがはつらつと、明るくなるようなファッ
ション性の高い洋服を身に付けてもらったらどうだろうか。「病は気から」
であり、病院側にとっては患者の早期退院が促進されるし、患者側にとって
も、とかく暗くなりがちな施設内の日々の生活に張りが出てくるなどのプラ
ス効果が期待できるのではないかと思われる。

いずれの施設においても、機能・素材・デザイン面に関して、入居者の希望
を充分聞いて企画に反映させることが重要なのはいうまでもない。
  
★佐藤史郎(跡見学園女子大学教授)
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